|
布はすでに蛸足によってずらされている。
褌から飛び出ている勃起したイチモツを遠慮なく握りこむ。
「あっ」
快感に耐えるように、五右エ門は次元の肩に頭を押し付けた。
「我慢するな。いつまでもこんなところでこんなことをしてたくねぇだろ？」
俯いたその顔がどんな表情を浮かべているかわからないが、耳まで真っ赤にして耐え切れないというように、次元の手の動きにあわせて甘い息を吐く五右エ門をみて、ぞくぞくとした興奮が次元の背筋を走る。
耳を軽く噛みながら、次元は腰を五右エ門の太腿に押し付けた。
「！？」
驚いたように五右エ門の息が一瞬止まる。
その反応を楽しみながら、次元は腕にしがみついている手を解き、自分の股間にゆっくりと導く。
「なあ、俺のも扱いてくれよ」
「な、なぜおぬし」
手に当たった次元のイチモツはスラックスごしでもはっきりとわかるほど、隆々と勃起している。
「お前のよ、あんないやらしい姿を見せ付けられたら・・・普通こうなるだろ？」
クスクス笑いながら、扱く速度をあげると五右エ門は甘く啼いた。
「な？早くルパンを助けにいこうぜ？」
腰を突き出し、ぐいぐいと股間を手に押し付けてその存在感を誇示した。
ためらいがちに五右エ門の指が動き出す。
ジッパーが下ろされ、五右エ門の手が下着の中に差し入れられた。
そっと握られて次元の体を興奮と快感がゾクンと駆け抜けた。
「お前の手でいかせてくれ」
態度も表情も冷静を装っていたが、実は次元も五右エ門の痴態ですでに暴発寸前だったのだ。
手の中でビクビクと敏感に反応し震えるイチモツの感触は五右エ門の興奮を限りなく煽った。
そんな五右エ門の変化を見抜いた次元は、後ろ髪を引いて顔をあげさせると、薄っすらと開いた唇に噛み付くように口付けた。
遠慮なく舌を差し込み、中で待つ舌に絡ませ吸い上げる。
「んっ」
「どっちが先にイかせるか、競争しようぜ」
一度唇を離して甘くそう囁いたあとに、ふたたび首の後ろを固定して舌を絡ませる。
同時に扱く手のピッチをあげる。
競争といわれて五右エ門の手の動きも早まる。
立ったまま、廊下の片隅で、お互いの欲望を扱きあう。
下肢から全身に快感が駆け巡る。
痺れるような快感、目がくらむような興奮。
相手のモノを扱いているうちに、まるで自分自身を扱いているような錯覚を覚える。
絶頂を求めてどんどん手の速度があがっていく。
先走りに濡れた手がくちゅくちゅとした厭らしい水音を発する。
口付けの合間に洩れるどちらのかもわからない甘い吐息が、ふたりの興奮を高まらせた。
既にここがどこかだとか頭にはない。
とにかく解放したい、精液を吐き出したい、それだけしか頭にない。
時間は長くはかからなかった。
陵辱とはいえ散々体中を嬲られていた五右エ門も、それを目の前で見せ付けられていた次元も。
扱きあって数分もしないうちに、絶頂感が襲ってくる。
「あっ、ああっ！」
ビクビクと体を震わせて五右エ門が先に吐精した。
どくどく吐き出される生暖かい精液を次元はハンカチで受け止めた。
湿っていく布の感触を感じながら、次元は手と腰を引いた。
「もう、いい。放せ」
五右エ門の指をはずさせ体を横に向けると、次元は自ら己のモノを数回扱いた。
絶頂感が襲う。
それを押しとどめることなく次元は精液をびゅくびゅくと床に吐き出した。
吐精を終えると残液が垂れる先端をハンカチで拭い、ぽいと床になげ捨てる。
床に白い液体が弧を描くのを、そして一連の次元のいやらしい所作を見ていた五右エ門喉がごくりと鳴った。
それに気がついたのか、気がついていないのか。
次元はニヤリと笑って、五右エ門の耳元に唇を寄せると
「続きは夜だ」
と囁いた。
真赤になる五右エ門を楽しげに見つめながら、次元はすばやく身支度を整える。
五右エ門もそれを見て、慌てて乱れた着物を整えた。
「さあ、いくぞ」
「ああ」
精液に濡れたハンカチ。床に弧を描く白濁とした液。
いやらしい生臭さの残る廊下を飛び出した瞬間、次元と五右エ門の頭の中は戦闘モードに切り替わった。
敵の元へ向かったルパンの後を追う。
「ルパンがどこにいるのかわかるのか」
「やつは発信機を持ってやがるからな。こっちだ」
真っ直ぐに続く廊下をふたりは駆け抜ける。
隣を走る五右エ門の息遣いに、先程の光景がフラッシュバックしてくるが次元は軽く頭を振ってそれを散らす。
「お楽しみはあとからだ」
「なにか言ったか？」
「いや、何も」
とにかく、さっさとケリをつけねぇとな。
次元はそう考えながらニヤリと笑った。
|