■夢十夜 〜第四夜〜■
 
 
 

 
五右エ門はふと目をあけた。
何も見えない真っ暗闇だ。少し息苦しさも感じる。
自分の状況を確認しようとみじろぐと後ろから声がかかった。
「動くなって。見つかっちまうだろ」
背中にぴたりと合わさった躯。体温を感じる。
「・・・次元?」
「なんだ、どうした居眠りでもしてたのか?」
少し面白がっている声色。
いったいどういう状況なのか動きをとめ冷静に考える。
すぐ目の前には壁がある。近すぎて暗闇と勘違いしたのだ。
狭い場所にふたり立っていて、壁を向いた五右エ門の後ろに次元がぴったりとくっついている。
この状況には覚えがある。
確か敵に追われてタンスの中に逃げ込み隠れていたのだ。
だが、なにかが違う。
それに、なにかを忘れている?
そう思い至ったとき。
「お前が向かい合わせは具合が悪いって言ってそっちを向いたんだろ?」
「・・・そうだったか?」
「なんだ、大丈夫かよ、お前。狭いとこに長時間じっとしているから酸欠で意識朦朧になっちまったか?」
呆れたように言われて少し恥ずかしくなる。
そう言われればそうだったような気がする。
なんで忘れてしまっていたのか、それとも本当に居眠りしていて寝ぼけてしまったのか。
「すまん」
「いいって。それよりもうしゃべるな。見つかる」
ぐい、と次元が躯全体を使って押さえつけてくる。
壁と胸の間に曲げた腕を置いていたが、その腕が動かなくなるほどの圧迫感だった。
五右エ門の躯を挟んだ次元の腕。
その手は体重を支えるように壁をついていた。
苦しいのも狭いのも自分も次元も同じだから仕方がない。
五右エ門はピタリと全身に重なった体温を感じながら、おとなしくじっと立っていた。
この状況は何かを五右エ門に思いださせようとしていた。
デジャブー。これと同じことがあった。
同じこと、じゃなく、もうひとつなにか五右エ門にとって重大な出来事だったはず。
思い出しそうで思い出せない。
だが、耳元に感じる次元の吐息。
慣れた煙草の匂い。
重なる躯と体温。
なにか、確かになにかあったはずだ。

思考に没頭していた五右エ門が異変に気がついたときはもう遅かった。
いつの間にか忍び込んでいたのか、壁をついていたはずの次元の手は五右エ門の着物の下で蠢いていた。
袴の横の隙間から突きこまれた手はそのまま躊躇いなく股間に伸び、覆った布ごと性器を握りこんだのだ。
「!!!」
声にならない叫びを発し、五右エ門の背がしなる。
驚きと羞恥と与えられた刺激に意識が一瞬真っ白になった。
次元の手は遠慮なく動き、性器を強く弱く揉みあげる。
ビリビリとした快楽が足の先へと、頭の先へと電流のように走った。
快楽。それは間違いなく快楽だった。
仲間に次元にいきなり愛撫され感じてしまった己が信じられない。
五右エ門が感じていることに気がついたのだろう、次元の手が褌をずらし、そのまま直に握りこんできた。
「やめっ!」
「黙ってろ」
壁と次元の躯に挟まれてほとんど動くことが出来ない五右エ門が頭を振って拒絶するが、手の動きは止まらない。
半ダチになった性器を握って上下に擦りあげはじめた。
腰を引こうとしても次元の躯が邪魔をして逃げることが出来ない。
強烈な刺激に抗うことができず、瞬く間に五右エ門の性器は次元の手の中で堅く反り返った。
膝がガクガクとするが、両足の間に後ろから割り込んだ次元の足が震える躯を支える。
荒い息を吐きながら身悶える五右エ門を更に追い上げようと次元の手が巧みに動く。
「気持ちイイか・・・?」
耳に直に甘さを含む低音の声を流し込んで、柔らかい耳朶に次元は優しく噛み付いた。
そのまま耳の中に舌を差し込み舐め回わす。
溢れた先走りと耳に溜まる次元の唾液が、ぴちゃぴちゃくちゅくちゅと厭らしい水音を発する。
「ホラ、イケよ」
指先で先端を穿られる強い刺激に耐えられず。
五右エ門は自分のものとは思えないほどの官能的な声を発して射精した。
「ああ、思った通りイイ声で啼くんだな」
次元の欲情を含んだ声が聞こえた。
 
 
 
絶頂感と濡れた感触で五右エ門は目を覚ました。
 
 
 
 
 

■YUMEJUUYA-DAIYONYA-■
   

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