■コラボ小説(其ノ五)■


ルパン抜きのルパンファミリー。
今回の主役は・・・誰かな?<オイ

ブラック・ジャックも登場です。
コラボはちょっと・・・
という方は引き返してくださいませ。


『大丈夫、どんと来い!!』
という方のみ
レッツ★スクロール!!


苦情は受付ませんので自己責任でお願い致します。


話は続いているので前を読まないと
わからない所もあるかもしれませんが、
その点はご了承ください。
















 
疑惑の男*
 


ツカツカツカとヒールの音が聞こえたかと思うと、バンッとドアが乱暴に開かれた。
予想通り、訪問者は峰不二子。
スリットの入ったロングドレス。
大きく開かれた豊満な胸元には高価そうなダイヤのネックレス。
アップにした髪と、いつも以上に念入りに施された化粧。
パーティー帰りだと一目でわかるほどめかしこんでいる彼女は目の保養になるほどの美女ぶりである。
それなのに。
「ちょっと!ルパンは!?」
挨拶もなく、突然の噛み付きそうな勢いの問いかけ。
いつもは無視を決め込む次元も驚くほどの剣幕だ。
「おらんぞ」
律儀な五右エ門からの返答に、不二子はギリリと唇を噛み、考え込んだ。
「・・・どうしたのだ?」
どうも不二子の様子がおかしい。
つい、問わずにはいられないほどだ。
「ちょっと!!聞いてくれる!?というか貴方達知ってた?」
「だから、なにをだ」
詰め寄られてタジタジとなる五右エ門。
次元すら何事かと、寝転んだ体をソファーから起こした。
そんなふたりの前に仁王立ちになると不二子は今夜の出来事を語り始めた。




大富豪の老人の快気祝いのパーティ。
車椅子に乗ってはいるものの、一時は危篤に陥ったとは思えないほどの回復ぶりを老人はみせていた。
そんな老人の横に見覚えのある男がいた。
「あら?」
不二子が気づくと同時に、彼はその場を離れすぐに袖に隠れてしまった。
独特な外見もさることながら、彼には過去に何度も世話になったのだ。
姿をみたのはほんの少しの時間だったが、不二子が彼を見間違えるはずはない。
なぜここにいるのだろうと思いつつ、不二子は男の消えた方向へゆっくりと歩いていった。
風はゆるりと薄いカーテンを舞わせている、その向こう。
彼はベランダの手すりにもたれて綺麗に剪定されて中庭を眺めていた。
「ブラック・ジャック先生」
黒いスーツ。
ツートンカラーの髪。
後ろからみても間違うことはない。
彼は「無免許医」でありながら、神の手を持つという天才外科医、ブラック・ジャックだ。
不二子の声に振り返った彼は驚いたように目を見開いた。
「峰さん」
「どうしてここへ?」
軽く小首を傾げながら不二子は手にしたグラスとBJへ差し出した。
それを受け取り、唇に小さい微笑を浮かべたBJは部屋の中に視線を送った。
その先には今日の主賓の老人。
「ああ、貴方が手術されたの」
それで納得がいく。
「こういう席は苦手でしてね。一度は断ったんですが、万が一のためにと請われてね」
「万が一なんて失礼ねぇ」
不二子がそう言うと、BJは少し驚いた表情を浮かべたあと、今度は大きく笑った。
アラ、意外と可愛いじゃない。
顔を横切る大きな傷と、それを境に異なる皮膚の色。
日頃は冷静沈着な表情を浮かべているだけに、その笑顔は不二子の目には可愛らしく映った。
例の事件のとき、BJには本当に世話になった。
報酬もかなり払ったが、それに勝る仕事をしてもらった。
そんなことから元々悪い印象はもっていない。
不二子の秋波に反応しないことには不満ではあるが、それ以外には好感が持てる。
好意は伝染するものなのか、今日のBJは非常に愛想がよかった。
それなりに楽しく談笑を続けていた不二子は、ふと今日の目的を思い出した。
ドレスアップしてこのパーティーに潜り込んだのは、老人が所有する宝石を頂く下準備のためである。
宴もたけなわというときが自由に行動しやすく、それがちょうど今なのだ。
会話がちょうど途切れたタイミングを見計らいニッコリ微笑み暇の言葉を告げて、その場を不二子は立ち去ろうとした。
ベランダから室内に入ろうとしたときに、BJが不二子を呼び止めた。
「はい?」
ゆっくりと上半身半分後ろに向けて、不二子はBJを見た。
彼は今までとは少し違った様子で一度は呼び止めたものの、言いづらそうに口ごもった。
辛抱強く不二子が待っていると、呼び止めたのに待たせていることを失礼だと気がついたのか、なにか決心したように、そして思いきってという様子で問いかけてきた。
「最近、彼に・・・ルパン三世に会いましたか」
「ルパン?」
当然共通の知り合いではあるが、今までの会話の中では少しも触れなかった。
それなのにいきなり「ルパン」である。不二子は少し驚いて、鸚鵡返しで問い直した。
「あの・・・彼は、その」
「なんですの?」
冷静沈着なイメージのあるいつものBJと様子が異なる。
微かに頬を染め、視線が泳いでいる。
かなり言いにくい話題なのだろう。
BJは大きく息を吐き出したあと、決心したように不二子の瞳を真正面からみつめた。
「彼には・・・男色の気が?」
「はぁ?」
だんしょく?
だんしょくってなんだっけ?
暖かい色ってことかしら?
女好きのルパンにそぐわない言葉に不二子の頭の中で「だんしょく」の言葉がぐるぐる回っていた。
外見がどんなに絶世の美女でも、それが女装した男またはニューハーフだった場合、その事実を知らなくてもルパンはまったく反応しない。
それが野生の感なのか、女好きの嗅覚からくるものなのかはわからないが、とにかくルパンほど『男色』という言葉が似合わない男はいない。
はずなのだが。
「私にその趣味はない。なので、ああいうことをされると大変迷惑だ、と伝えてもらえませんか」
ぐるぐるしている間にもBJの話は進んでいたらしい。
内容はまったく覚えていないが、締めのこの言葉だけは不二子は聞き取った。
ルパンが?
この先生に?
こんな男くさい、女性的な要素はまったくないこの人にルパンが何をしたと?
迷惑な『ああいうこと』って何のこと?!
ポカンとする不二子と対するBJは真剣な様子で嘘を言っているようにはみえない。
口の中がカラカラに乾いているのを感じながら、不二子が問いただそうと口を開こうとしたとき。
「先生っ!ブラック・ジャック先生、どこですか」
遠くから老人の秘書がBJを呼ぶ声が聞こえてきた。
その声の方向にBJは一瞥したあと、再度不二子をみて「では」と軽く会釈をして、くるりと背を向けた。
去っていく背中に声をかけることも出来ず、不二子は呆然としてBJを見送ったのだった。




不二子の回想が終わったリビングはシーンと静まり返っていた。
普通なら馬鹿馬鹿しいと笑い飛ばす内容なのに、なぜがそれが出来ない。
「どういうこと?ルパンって男もいけるようになったの?」
「し、知らねぇよ!」
「初耳でござる」
沈黙を破った途端のとんでもない不二子の問いかけに、男ふたりはブンブンと首を横に振った。
「でも嘘を言ってるようには見えなかったのよ」
それに、あの天才外科医がそんな嘘をつく必要があるとも思えないのだ。
そして、妙にリアリティーがある。
漠然と感じるリアリティーがどこから来るのか。
次元と五右エ門は、その原因を探ろうと記憶を辿る。
ルパンとブラック・ジャック。
最後に会ったのはつい先日、治療のお礼を言いたいというルパンと一緒にあの岬の家を訪ねたときだ。
訪問するには非常識といえる真夜中だったので、次元と五右エ門は車に残りルパンだけが家に忍びこんだ。
「「あ」」
「何!?心当たりがあるの!?」
同時にあがったふたりの男の声に不二子が敏感に反応した。
次元と五右エ門は顔を見合わせ、疑惑の表情を浮かべた。
「・・・この前、礼が言いたいとルパンが言うのでな。深夜訪ねたのだが・・・」
「時間がかかっていたな。30分近くは待たされた気がするぜ」
「ようやく出てきたと思ったら、先生が窓から怒鳴りつけてきた」
「あのときのルパンの顔。にやけてたような」
交互に言葉を発しながら、じっくりとあの夜のことを思い出す。
もし何かがあったのなら絶対あのときだ。
そして何かがあるだけの時間は確かにあったのだ。
「「「・・・・まさか」」」
こめかみに汗が流れ落ちるのを感じながら、ゴクリと喉を鳴らして三人は顔を見合わせた。

あの女好きのルパンが。
信じられないが、信じたくないが。
なぜなのか、それが真実であるような妙なリアリティーがある。

ルパン不在のアジトでルパンファミリーと呼ばれる仲間達の間で。
『ルパンホモ疑惑』が勃発した瞬間であった。
 
 
 
 

【5】 

 

■あとがき■

ブラック・ジャックの仕返し。
恥を忍んでもやりかえしたかったようです(笑)


ちなみにこのときの三人の思考。
不二子
「とうとう男にまで・・・今後のお付き合いを考えなくっちゃ」○○
次元
○○「ということは、あいつが五右エ門に手を出す可能性が高いぞ」
五右エ門「仲が良くとも相棒だと安心しておったが・・次元、大丈夫か?」

ジゲゴエは惚れた欲目。
バカップルですね(笑う)




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