■コラボ小説(其ノ弐)■


今回の主役は【ブラック・ジャック】と【ルパン】です。

たいしたことありませんが、ゆるく女性向け描写アリ。
『ルパン三世Y』の最終回ネタバレもあります。

こんな組み合わせ嫌だ!!
ネタバレはちょっと困る。
女性向け描写は苦手だ。

という方は引き返してくださいませ。



『大丈夫、どんと来い!!』
という方のみ
レッツ★スクロール!!



苦情は受付ませんので自己責任でお願い致します。
















 
Returning evil for good*
 


息苦しくって目が覚める。
完全に誰かが圧し掛かっている。
今日はあいつと一緒だったかな、とぼんやりと考えながら目をあけた。
覗き込んでいるのは予想していた顔じゃなかった。
一瞬わけがわからずにいたが、月明かりに照らされるその男の顔は見覚えがあった。
『神出鬼没の大泥棒』らしいからここにいても不思議じゃないのか。
なんて思ったが、やっぱりおかしいことには変わりはない。
「なにをしている」
そう問いかけるとその男は一瞬目を見開いて、すぐに面白そうに笑った。
「いや、ご挨拶に来たらよく眠ってらっしゃったんで」
「どけ」
ジロリと睨んでやるがまったく怯まずに、頬に手を当ててきた。
男にされて楽しいものじゃない。無意識に顔が歪むのを感じる。
「あんたさあ、こうやってみるといい男だね」
あからさまな嫌悪感にも全然気にした風もなく男は言った。
「そりゃどうも。だが私は男に押し倒される趣味はない」
「それは俺もだけどさぁ」
そういったあと、なぜか男は考え込んでしまった。
とりあえずどいて欲しいんだが。
そう言おうとして、私は硬直してしまった。頭も真っ白になる。
合わさった唇から舌が侵入して動き出した感触にようやく正気に戻った。
キスされてる!?それも男に!?!?
覆いかぶさる男を跳ね除けようとするが、どんな押さえ込み方をしているのか、驚くほど体が動かない。
その間もディープキスは続き、男の舌は巧みに口内で蠢く。
気持悪いとか、嫌悪感を凌駕するほどのテクニック。
ゾクゾクとした快感が体を貫き力が抜けてくるが、流されるわけにはいかない。
力が出ないまでも必死で抵抗を続けていると、ようやく唇が解放された。
「・・・なにを、するっ!」
息を荒げながら怒鳴るが、余韻のせいか声が掠れていた。
「いやぁ、なんだかちょっともようしちゃって・・・つい」
悪びれなくヒヒヒと笑う男に怒りの気が削がれる。なんだ、この男は。
「おまえさん・・・男色家だったのかね」
嫌味ったらしく言いながら鋭く睨みつけてやると、とんでもないという表情を浮かべた。
「まさか!自他共に認める女好きですよ。どんな美人でも男なんてとんでもない」
「言ってることとやってることが違うんじゃないか」
「ハハハ」
「どけ」
つまらない悪戯の相手をしてやる義理はない。
「センセ」
「なんだ」
いつまで経ってもどかない男に怒りを感じてて、無意識に声が低くなる。
まるで唸っているような声が出た。
「なーんかアンタ相手だったら出来そうな気がすんだよね」
「なっ」
返って来た言葉に絶句。
なに言ってるんだ、この男は!
「ちょーと、試したりしちゃったりして」
「ふざっ」
今度こそ大声で怒鳴りつけようとしたが、すぐに口を掌で塞がれてしまった。
逃れようとしている私の耳元で悪魔が囁く。
「大声出すとお嬢ちゃんが起きちゃうんじゃなあい?こんな場面見られたくないでしょ?」
まさか。ピノコが起きてきてもこの男はやめないつもりなのか。
もしそうだとしたら。冗談じゃない。背中に汗が流れる。
硬直した私に男はふたたび口付けてきた。
ふたたび口内を好き放題に陵辱しながら、寝巻のボタンを器用にはずし直接肌に触れてきた。
この男、本気なのか!?
男相手に貞操の危機なんて冗談じゃない!
必死になって顔を振るとようやく唇が離れた。
だがほっとする間もなく、男の唇が首筋を舐め上げてくる。
ビクンと条件反射で反応したのに気を良くしたのか、吸い付き舐めながら唇と舌が体を這い回る。
パジャマが完全に肌蹴られて、男の顔が胸元に落ちたとき次になにをされるかに気がついた。
「やめろっ!」
静止のかいなく、乳首に吸い付かれる。
普通の男なら感じないような場所かもしれないが、あいつに開発されたこの体では性感帯の一部になっている。
その場所を吸われ舌先で転がされ、意志に関係なく体は正直に反応する。
快感から逃れるために必死になって暴れるがどうしても逃げることができない。
体を這い回る手。
肌に吸い付く唇。
傷跡をなぞる舌。
体の熱があがってくる。
ゆっくりと男の性が目覚めてくる。
だが、この手も唇も舌もあいつのものじゃない。
いくら体が愛撫に反応しても、心はまったくついていけてない。
引き裂かれるような精神の痛み。
気持悪い、吐きそうだ、悪寒が全身を貫く。
嫌だ、嫌だ、嫌だ。
助けてくれ、ッ・・・コ!!!
押さえ込む力が緩んだ。同時に加えられていた愛撫がすべて止まった。
「鳥肌たってるよ、センセ」
苦笑を含んだ声に理性を取り戻し叫ぶ。
「あ、当たり前だろう!!」
「あーあ」
男はそう呟いたあと、ようやく私の上からどいた。
自由を得て、必死で手の届かないところまで逃げる。
足にはまだ力がはいらなかったからベットの端まで逃げただけだったが。
「新しい世界に踏む出せると思ったんだけどなぁ。みて」
差し出された腕。ジャケットとシャツが捲くられた男の腕には・・・鳥肌!?
この男、鳥肌たつほど嫌なのに男を襲っていたというのか。
「鳥肌たってやんの。やっぱ体は拒否っちゃったみたい」
「はじめっから気づけ!試されるこっちは大迷惑だ!!!」
腹の底から怒鳴りつける。
だがすぐに乗り出してきた男の掌で口を塞がれた。
耳をすますような仕草をみて、ピノコのことを思い出す。しまった!
だがいつまで経っても物音ひとつしない。大丈夫だったようだ。
「ごめんね、センセ。怖かった?」
体を離して目を覗き込んでくる男は謝っているわりに悪びれてない。
第一、『怖かった?』ってなんだ。
この男、本当にわけがわからない。だいたい何しに来たんだと根本的な疑問にたどり着く。
「お前さん、なにしに来たんだ」
また押し倒されちゃ適わないのでベットから立ち上がり、乱れた衣服を整える。
男から離れて身なりを整えてようやく一息ついたとき男は言った。
「お礼に来たのさ」
「お礼?」
「そ、センセのお陰でこんなに元気になりました!と証明してから、深く御礼申し上げようと思ったんだけど」
この裏街道まっしぐらな男がわざわざお礼に来たというのか。
なんと義理堅いことで。
だが。
「証明すんのにちょーっと調子にのっちゃったv」
「・・・治してやってこんなことされたら適わん」
「だからゴメンって」
ニヘラと笑ってみせる男の言い分には納得いかないし、無体されたことに腹は立つが、そういえばと思う。
緊急だ、と呼ばれて行った場所でみたのはバラバラにされたこの男の体のパーツだった。
どんな手法を使ったのか、そのパーツは解体されて一ヶ月過ぎているのにすべて生きていた。
それを繋げてくれと依頼されたのだ。
人形じゃあるまいし、チクチク縫えばいいってもんじゃない。
精神も肉体も元に戻るかわからないと言うと「だから貴方に依頼するのよ」と女は縋るように言った。
疲労困憊といった様子だったが毅然としたその女は1000万ドルの報酬を提示したあと、
貴方の技術をすべて駆使してこの男を助けて欲しい、施設は提供するわ、貴方は世界一の天才外科医なんでしょう、とも言った。
各パーツを検査し調査して、出来る限りの私の知識技術を注いで手術に望んだのだが。
大成功だったらしい。
この男のすべてに欠けた所を感じない。
以前、何度か治療に呼ばれて会ったことはあるが、そのときの男と何も変わっていない。
「すっかりよくなったみたいだな」
満足感が湧き上がってくる。
「おかげさまで。センセ以外だったらこんな完璧に戻らなかっただろうって、あのモグリのじっさまが言ってたんだけど、俺もそう思う」
「そりゃどうも。1000万ドルの価値はあったということだな」
「ホント感謝してるよ、センセ」
感謝しているにしてはさっきの行動はおかしくないか。
まさに、恩を仇で返すってやつじゃないか。
「おかげで仲間も取り戻せた。1000万ドルじゃ安いくらいだ」
男は笑いを浮かべていたが、目は真剣だ。
今の言葉がどういう意味なのかよくわからないが、本気でそう思っているらしい。
その笑いさえ消して、私の目をじっとみつめて、ひとことひとことを噛み締めるようにいった。
「センセ、アンタのためならなんでもするよ」
真剣な男の声。
さっきまでのおちゃらけな男とはまるで別人だ。
だが、私は仕事をしたまで。報酬はすでに受け取っている。
だから。
「泥棒に用はない」
そう言ってやったら、男は破顔して楽しそうに笑った。
「ま、この先なんかあったらいつでもこのルパン様を呼んでくれ、ブラック・ジャック先生」
顔が至近距離まで近づき、すぐに離れた。
またキスされたということにようやく気がついて、今度こそ殴りつけようと腕を振り上げたが、男は既に窓際にいた。
すばやい。
さすが、大泥棒といわれるだけはある。逃げ足が早い。
「じゃね、センセ。また会おうぜ」
開け放たれた窓の先に姿が消える。同時にエンジン音。
外で仲間が待機してたのか。
急いで窓際に駆け寄て外をみると、手をふる男を乗せた車が走り去っていくところだった。
くっそー結局好き放題されて、一発も殴ることも出来なかった。
恩を感じていると言ったわりにすることはなんだ。
『恩を仇で返す』とはこのことじゃないのか。
「もう来るな!!」
たまった怒りを発散するかのように怒鳴った。
きっと怒声でピノコが目を覚ますだろうが知ったことか。
返事のように爆笑する声が響く。元気な男だまったく。
男の横には黒い男と、後部座席には和服の男がみえる。
噂に名高い、彼の仲間たちだろう。
「ま、これからも人生楽しむんだな」
私はそう呟いて、遠ざかる車を見送った。
 
 
 
 

【2】 



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