戒めという名の狂気

つい最近現れた女の存在を百地は好ましく思っていなかった。
その女を道具として使う気ではあったが、少し目を離した隙に弟子である五右エ門に取り入っていたのだ。
五右エ門も悪い気はしていないらしく、「がーるふれんど」などど西洋カブレな言葉を口にしている。
女の真の目的がわからないことも苛立つ原因だが、それ以上に五右エ門が女に気を許しているという事実が百地を不機嫌にさせた。
腕が恐ろしく立ち殺しを生業にしているくせに、なぜがその心根はいつまで経っても穢れることなく真っ直ぐで正直だった。
そこにあの女はつけ込んだのだろう。
そこまで考えて百地は己の五右エ門に対する今までの所業を思い浮かべる。己だって同じことをしているのだ。
(久々に・・・アレをやるか)
百地の目が据わる。
以前は頻繁に行なっていたが、最近は愉しみ以上に己の衰えを実感することが多くなり、なんとなく行為を避けるようになっていた。
だが、過去のその行為を思い出した途端、避けようとしている気持ちは吹き飛び、ただひたすら五右エ門を嬲りたい衝動が湧き上がってくる。

前から歩いてきた五右エ門が百地に気づき、師を通すために歩を止め廊下の端によけた。
五右エ門にとって『師』とは最上位の存在である。
己の意志を殺し、ただ命令に従うのみ。拒否権はない。
幼き頃からそう教え込んだのは百地だが、元来性質が素直な五右エ門はその教えを守り通していた。
だからこそあの行為さえ、五右エ門は受け入れざるえないのだが。
「今夜、ワシの部屋で待て」
すれ違いざまにかけた言葉に五右エ門が凍りついたのがわかった。
詳しく言わずとも、百地の意図を正確に受け取ったのだろう。
それは五右エ門にとって師による悪しき習慣であり、出来れば避けたいものであった。
最近呼ばれることがなかったのは、男女の判別もあまりない少年の頃ならいざ知らず、一般的に青年と言われる範疇内に年齢も体格も成長したせいだと五右エ門は思っており、そして安堵していたのだ。
それなのにまた。
ゴクリと喉仏が動く。五右エ門はグッと腹筋に力を込め己に檄を飛ばし、小さく頷く。
その様子を横目で眺めながら、百地は無言でその場を離れた。

百地の帰宅は深夜であった。
どうすれば師の気を変えることが出来るのか、待っている間に五右エ門は考え続けていたが良い案は思い浮かばない。
ぐるぐる考えているうちにあっという間に時間は過ぎ、百地が障子をあけて部屋に入ってきた。
部屋の隅で正座した五右エ門が身を堅くする。
百地はその正面にドカリと胡坐をかいて座ると、じっと弟子をねめつける。
長い沈黙のあと、百地の口から地を這うような声が発せられた。
「女色に溺れてはならぬ。そう教えてきたのにあの女はなんだ」
あの女とは最近五右エ門のガールフレンドになった彼女であることは疑う余地はない。
肉体関係は結んではいないし溺れているつもりもないが、事実無根というわけでもない五右エ門は反論できない。
それに、百地は答えを望んでいる訳ではない。また言い訳を許さない男であることを五右エ門は身に染みて知っていた。
「溺れれば身を破滅させるぞ。女は毒だ、それを頭に叩き込んでおけ」
五右エ門は身じろぎひとつせず、膝の上で握りこんだ拳に力をいれた。
「己を律せねばならぬ。欲に身を任せてはならぬ。これはその戒めじゃ」
百地の右手が持ち上がり、部屋の真ん中に不自然に置かれていた屏風を払いのけた。
その先にあるのは、畳に敷かれた白い敷布団と枕だけである。
「わかっておるな?」
半眼で睨まれて五右エ門は唾液を嚥下した。
羞恥と屈辱、そして押さえきれない欲望。そして事後には必ず、どうしても欲をコントロールすることができなかった己に対し自己嫌悪に陥る。
幾度となく繰り返されてきた、そんな狂った夜がまた始まるのだ。
無言で促されて五右エ門はゆっくりと立ち上がる。
己がどうすべきかわかっている。そして決して逃げられないということも知っている。
五右エ門は能面のように表情を強張らせたまま、手を動かす。
自らを包み込む衣服を一枚一枚、足元に落としていく。
腰紐を、袴を、単を、サラシを、そして褌さえも。
徐々に現れてくるしなやかな肢体を百地は無言で舐めるように眺めていた。
逆らうこともできず自ら全裸になった五右エ門に対して百地は顎をしゃくる。
その先にあるのは敷かれた布団。
わかっていても五右エ門の頭は足を動かすことを拒絶する。
どうにか百地の考えを変えられないか、この後の行為を回避できないか、と五右エ門は口を開こうとしたのだが。
「師匠に逆らうのか」
察した百地が冷たく言い放つ。
もうどうすることも出来ない。五右エ門は諦め覚悟を決めると、布団に上向きに寝転び目を閉じた。

百地が立ち上がりゆっくりと近づいてくる気配がする。
空気が動き、五右エ門の横に座ったのがわかる。同時に目を瞑っていても、舐めるような視線が伝わってくる。
首筋も胸も腹筋も、そして太腿から足先まで、最後には性器すら。じっとりとした視線が動いている。
暫くすると、胸板をツーと指が滑り、乳首を弾いた。
「立っておるぞ」
冷たい外気に晒されたせいだと言いたいが、反論は許されない。
「おぬしはまだ己を制御できておらぬ。未熟じゃ」
キュッギュッとふたつの乳首を摘まれ、強く揉まれて痛みに息を止まる。
だがそれは繰り返されるうちに次第にジンとした疼きに変わっていく。
五右エ門の変化をみとったのか、骨ばって皺だらけの手が白い躯を撫で回しはじめた。
胸を脇腹を首筋を腹筋を太腿を、強弱をつけて撫であげ同時に指を蠢かす。
息があがりそうなのをギュッと目を閉じ唇を噛み締めて耐えていると、グイッと強く握りこまれた。
「!!」
直接的な刺激に、反射的に躯が弾む。
「あの女にこれを使ったのか?」
巧みな動きで躯中を撫で回され、快楽を刷り込まれ慣らされてしまっている躯は既に反応し勃起しはじめていた。
それを上下に擦りあげながら、百地は屈み五右エ門の首筋に舌を這わせた。
汗ばんだ若々しい肌の弾力。唾液を塗りつけるように舌を這わせ、辿りついた乳首を咥える。
五右エ門の躯が再び痙攣し、手の中の性器がグンッと力を増した。
「答えぬか、五右エ門。あの女に入れたのか?おぬしのこのいやらしい魔羅を」
ギュッと握りこまれて貫く痛みに五右エ門が小さく呻いた。
「・・・入れておりませぬ」
「ふん。どうかのう。ではわしが確かめてやろう」
覆いかぶさっていた百地の躯が五右エ門の上から退いた。
代わりに気配が下方にまわったのが伝わってくる。
また始まるのかという恐怖と羞恥。だが欲情させられた躯は微かな期待にうち震える。
「足を開いて立てよ」
拒絶を許さぬ命令が投げかけられる。
五右エ門はまっすぐ伸ばした足をたてゆっくりと開く。
と、その間に百地の躯が割り込み、開いた両足をさらに大きく開かせた。
「相変わらず白く手触りの良い肌だの」
骨ばった皺だらけの手が、白い両足を撫で回す。
体毛が薄く木目細やかな肌は若さ故のものだけではなく、もって生まれたものだ。
女よりも男を狂わす躯だ。男の性を刺激する躯だ。
だから弟子相手にこのような行為に耽ってしまうのは、わしのせいでなく五右エ門のせいなのだ。
そう言い訳するのももう飽きた、と百地は思う。
とにかくこの若々しい躯も精神も己の毒で黒く染めあげたい。
「感じておるのか?なんとハレンチな躯じゃ」
ほとんど勃ち上がった性器を指で弾くと五右エ門が息を詰めた。
幼いころから修行に明け暮れ、性に疎すぎるほど疎かった五右エ門に百地が手を出したのはいつの頃か。
そんな昔のことではないが、敏感に反応するようにたっぷり時間をかけて仕込んだ。
無垢な躯は快楽に抵抗する術ももたず、百地の思惑通りに厭らしい躯にされるしかなかった。
ぐいと膝を押し上げて浮いた腰の下に枕を突きこむ。
五右エ門の菊門が露になり、百地の目の前でヒクヒクと収縮した。
「己で精を濡らすのだ」
五右エ門の躯がビクリと震える。口では否定はしないが躯は無言で拒絶し動きださない。
「師匠の手を煩わせるつもりか。こんなことになったのは己の未熟さゆえ」
百地が一喝すると、スラリと白い左手が持ち上がり己の下肢へゆっくりと移動しはじめる。
下りてきた手は勃起した己の性器を戸惑いながらも握り込んだ。
その動きを凝視しながら百地は顔を尻に近づけ、堅く閉じた菊門を舌で突いた。
「っ」
思わずといった様子で漏れた吐息は間違いなく快感を含んでいた。
それを自覚して五右エ門の顔が羞恥に染まる。
百地の舌がべろりと嘗めると菊門はヒクヒクと誘うように蠢いた。
「手を動かさぬか」
口を離し命令すると、握り込んだ手が上下に動き出す。
百地のすぐ目前で五右エ門の自慰がはじまったのだ。
10センチも離れぬ場所で扱かれる性器。それを扱くのは五右エ門自身。
百地はその光景に思わず興奮し、舌を乱暴に捻りこむ。ビクンと白い躯が仰け反った。
足首を掴み大きく広げさせ、突き出された菊門の中を奥まで嘗め回すと、小さな呻き声が漏れ聞こえてきた。
屈辱に震えながらも快楽に耐え切れずに洩れる声のなんと厭らしいことか。
少年の頃ならまだしも、すでに男として自我を持つ五右エ門を翻弄し陵辱する興奮は堪らないものだ。
息を荒げつつ百地は己を見下ろす。肌蹴た裾からみえる褌の下は軽く勃ち上がっているだけだ。
若かりし頃から色を好んだ百地であったが、10年近く前に閨に呼んだ女に毒を盛られて死にかけて以来、不能になってしまっていた。
五右エ門を仕込み嬲るうちに少しは復活してはいたが、せいぜい半勃ち。そんな己の不甲斐なさが苛立たしくなる。
この弟子の菊門を己の魔羅で貫き、善がり狂わせられたらどんなに愉しいことか。そう思うものの勃たないものは仕方がない。
己は勃たずとも五右エ門の菊門を弄る方法はいくらでもある。
唾液塗れになった菊門から口を離すと、百地は懐に隠しもっていたものを取り出した。
散々舌先で嬲り唾液を流し込んだだけあって柔らかく緩んでいる菊門に、ソレを宛う。
舌とは違う、硬い感触に五右エ門が身を竦ませた。
「そ、それはっ!」
今まで無言だった五右エ門が慌てたように叫び、逃げるように腰を揺らした。
宛がわれているものがなんなのか、これから何が起こるのか、五右エ門は経験上嫌なほど知っていた。
「逃げることは許さぬ。おぬしが今すべきことは己の魔羅を扱くことだけじゃ」
そう恫喝すると、手にした張形を捻り込む。
窄んだ襞がじわじわと広がっていき、上手に飲み込んでいく。
唾液まみれで散々舌で広げられた菊門は切れることなく、根元までぐさりと咥え込んだ。
五右エ門の両足に力が込められ脹脛に筋肉が浮き上がる。己の性器を扱いていた左手も止まっていた。
苦しげに、どうにか整えようとしている荒い息使いが部屋の中を満たす。
「どうじゃ?いつものより一回り大きいのを用意してやってが・・・平気なようじゃの。この淫らな菊門は」
ぐりりと乱暴にかき回すと、喉の奥から迸る小さな叫び声。
痛みとそして快楽を乗せた声色に百地の興奮がいっそう高まった。
「手が止まっておるぞ?」
伸び上がり顔を覗きこむと、五右エ門は全身を朱に染めて目をギュッと瞑っている。
何度も繰り返してきた行為なのに、いまだ処女のように恥じらい抵抗を示し、快楽を素直に受け入れられないその姿をみて、百地の背筋にゾクゾクとした快感が駆け上がった。
「魔羅を扱け」
激しく出し入れさせながら命令すると、五右エ門は唇を噛み締めながらも手を動かしはじめた。


「濃いな。随分溜めておったようだ。あの女と寝てないのは本当のことらしいな」


腹に飛び散ったドロリとした精液を指で掬って舐めつつ、百地がくくくと笑う。
五右エ門の肌は汗と精液に塗れ、頬にも黒髪が張り付いている。
白い肌は仄かに桃色に染まりなんともいえぬ艶が立ち昇っている。
それなのに。開かれた瞳は快楽に潤んでいるというのに未だ屈せぬ強い力を放っていた。
蹂躙したくなる男だ。狂わせ哀願させ泣き喚かせたくなる男だ。
「だが、快楽に弱すぎるぞ。もっと耐えることを覚えねば」
ぐったりと横たわる五右エ門の右手首を掴んで引き起こし、その手を挿入されたままの張形に添えさせた。
左手は今まで扱いていた性器に添えられたままだ。
「さて、わしは疲れた。あとは己でせい。しっかと見届けてやる」
五右エ門の目が驚きに見開かれ、すぐに唇が噛み締められた。
だが百地がじっくり仕込んだ躯はまだ収まっていない。もっと深く強い快楽を求め続けているのだ。
それにどんな命令でも五右エ門は師匠に逆らうことができない。
そう百地が五右エ門を教育してきたのだ。
少し離れたところに胡坐を組んで座った百尾地の前で、五右エ門の両手がゆっくりと動きはじめる。
魔羅を扱き、菊門を張形で弄り、快楽を追う。
やめたいという理性を快楽が塗りつぶしていく己の淫らさに五右エ門は泣くなるほど羞恥した。
その葛藤さえも百地の興奮を煽るだけとも知らず。


そして、狂った夜はその後も幾度となく繰り返され続ける。
外に目を向けはじめた五右エ門を、嫉妬に狂った百地が殺そうとするその日まで。


 
■コメント

えーと、祭り中の「レアキャラ×ゴエ」チャットとか某Sさんとのマンツーマンチャットで話題になった百地×五右エ門。
私的にそんな組み合わせは考えてもなかったのですが、まんまと洗脳されましたv
そしてチャット中に妄想した内容をそのまんま文章にしたのがコレ。
師匠の手によって仕込まれ散らされているもののナマは未挿入な五右エ門。
って、萌えませんかーー!?ねぇ、萌えるよね!?<聞くな

じじぃ攻めなんて需要はないだろうけど「これが祭りの醍醐味だ!」と開き直って投稿したお話です。
 

 
 
 

 

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