朝、目が覚めると目の前にちいさい人形が転がっていた。
なんだこれは?ピノコのか?
指先で軽くつついて転がすと・・・キリコ人形?
趣味悪いな。なんでこんなもの持ってるんだ。
とそこまで考えて、ふと思い出す。
ここは俺の家じゃない。キリコの自宅だ。
ということは、これはキリコの持ち物か?
自分を模した人形を持っているとは、あいつナルシストなのか?
そう思った瞬間。
目の前の人形が「うーん」と唸ってコロリと転がった。
なんだ?今の??
電池とかで動くタイプなのか?
びっくりしながら触ると・・・暖かい。
「ん?なんだ?」
俺の指を払ってゴロリと転がりながら聞こえた声は間違いなくキリコのもの。
まさか?
「キ、キリコ!?」
ガバリと起き上がって叫ぶと「朝っぱらから大声出すな」と不機嫌そうに言いながら、人形が、いやキリコが目を開けた。
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