【 梅雨前線攻防 】
 
 
 
 

 
人の気配にBJが顔をあげると、目の前にキリコが立っている。
「よう。ブラック・ジャック」
「・・・来たな」
「季節のご挨拶だからな」
ニヤリと笑う、その表情が癪に障る。
だが、今年はそう簡単にいかせるつもりはない。
「毎年毎年すき放題してくれてるよな。だが、今年はそうはいかない」
「ほう」
不敵に笑うBJに、キリコが少し目を見張る。
しかし、浮かんだ微笑は消えることはなく、キリコはネクタイを緩め、脱いだ上着を放った。
「じゃ、遠慮なくいくか」
攻撃は唐突だった。
がばり、とBJに襲いかかる。
その動きを予想していたBJは慌てることなく、攻撃を真正面から受けた。
ガシリと手と手が組み合う。
はんぐぐぐぐぐぐ。
顔を触れ合わせんばかりの距離で、両足を踏ん張り、渾身の力を込めて押し合う。
「なかなか・・・やるじゃないか」
「一年間鍛えて・・・きたからな」
力は互角。
BJが押せば、キリコが押し返し、両者一歩も引かない。
「諦めろ。お前が負けることは決まってるんだ」
「そんなことやってみなければわからないさ」
汗をダラダラ流し息荒げながら、ふたりは真正面から睨みあう。
力比べと化したふたりの対決は長いこと続いた。


意外なほどの抵抗にキリコは少し舌をまくが、精神的な余裕はまったく失わない。
だが、こんなことに体力を使うのは勿体無い。
本番でガンガン使うのが一番いいし、第一愉しい。
このままでは埒が明かないと、キリコはふいにBJの足を払った。
「うおっ」
足を払われてBJが倒れる。
すかさずキリコは圧し掛かろうとしたが、BJも然るもの、ゴロンと転がってそれを避けた。
だが、その動きをも予想していたキリコは逃がさず押さえ込むことに成功した。
腕を押さえて完璧に自由を奪おうとするものの、渾身の力で抵抗してくる。
「諦めろ」
「誰がっ」
「言っておくがな。お前が勝つことは誰も望んじゃいないんだよ」
「・・・うるさいっ」
声と共に蹴りがくる。
キリコは、間髪避けて横に転がった。
ガバリと起き上がったBJが、今度はキリコに押さえ込もうとしたが、その腹に蹴りが入る。
「うわっ」
ギリギリで避けはしたが、BJの体勢が乱れてそこに僅かな隙が出来た。
キリコはそれを見逃さず、腕を掴み引き倒すとうつ伏せにしてその上に圧し掛かった。
はあはあというふたり分の荒い息遣いが響く。
「もう諦めろって」
「うるさいっ」
「お前と俺がやらなきゃ、皆さんが困るんだよ」
後ろから押さえ込まれたのでは拳も蹴りも繰り出すことが出来ない。
BJは首を捻じ曲げ、背後の男を悔しそうに睨みつける。
「始めればお前だって存分に愉しむじゃないか」
「・・・いつもいつも主導権を取れると思うな」
「ほう」
「一年間鍛えてきたと言っただろう」
「じゃあ、お手並み拝見といくか」
キリコはニヤリといやらしく笑うと起き上がり、BJの体を引き起こした。
そして、そのままグイグイとひっぱり、ベッドへ乱暴に突き飛ばした。
「わっ」
顔からベッドに落ちたものの、すぐに体制を立て直して振り向くと、既にキリコは服を脱ぎはじめていた。
「お前さんも早く脱げ」
上半身裸になったキリコがゆっくりとジッパーを下ろす。
BJはベッドから立ち上がると、キリコの腕を引っ張ってベッドへ転がした。
「なっ」
脱衣の最中で少し隙があったとはいえ、完全にBJに押さえ込まれた。
しかし、今度は力比べには発展しない。
BJはキリコの体を跨ぎ太もものうえに座り込む。
抵抗もせず見上げてくるキリコの目をじっと見つめながら、ゆっくりとシャツを脱ぐ。
「積極的じゃないか」
「さてね」
そう言い放つとBJはキリコのスラックスと下着を引きおろし、既に勃起したモノを引き摺りだした。
「半勃ちじゃないか」
「久しぶりだからな」
BJは戸惑うことなく握り込み上下に擦りはじめる。
「・・・っ」
キリコが声にならない声を発し、息をとめる。
擦られたモノは久しぶりなせいもあって、あっと言う間に完全に勃起した。
ギュンと音が聞こえそうなくらいの早さだった。
BJはニヤリと満足気に笑って手の速度をあげる。
先端から溢れだす先走りで掌からくちゅくちゅと濡れた音が発しはじめた。
「早いな」
愉しげなBJを少し睨んだあとキリコは無言で、跨るBJのスラックスを下着ごと引き下げた。
ペロンと出た尻を両手で掴み柔柔と揉み解しはじめる。
同時に指を谷間に潜り込ませ蠢かせる。
眉間に軽く皺を寄せるBJを眺めつつ、片手を前に回し下着からモノを取り出すと、それは既に軽く勃起していた。
「お前も人のこといえるのか」
軽く握って先端に爪を立てるとBJは「くっ」と呻いた。
BJの手の中で擦られる快感と、耐えるように小さく喘ぐ声に煽られてキリコのモノは益々硬くなった。
手の中のモノを擦りあげながらも後門にも悪戯を続ける。
BJは揺れそうな自らの腰を押さえ、負けるものかとばかりにキリコのモノを擦るが、つぷりと指を挿入され大きく仰け反った。
指は遠慮なく体内へ忍び込み、内壁を擦りあげる。


最初は1本だった指が、ほぐれる度に数を増やし、最後には3本もの指が体内でバラバラと蠢いていた。
外と内を同時に攻められ、BJは快楽に飲み込まれそうになる。
ジンジンと体内に溜まる快感に、体が指では足りないとその先をねだりはじめる。
「くそっ」
BJは小さく呟いて握ったモノを離し、体を捩ってキリコの愛撫から逃れると、そのままその股間に喰らいついた。
「は、ぅっ」
しゃぶられ、吸引され、あまりの気持ちよさにキリコが小さく喘いだ。


しばらく好きにさせていたキリコだったが、腰が無意識にびくびくと痙攣しだすのを感じた。
そろそろやめさせないと、達してしまいそうだ。
先にイくわけにはいかないのに、しゃぶられる気持ちよさから逃れられない。
視線を下ろすと見上げてくる紅い目とぶつかった。
上目遣いの目、蠢く口元、チラリとみえる紅い舌。
すべてがいやらしい。
視界からの刺激にキリコの興奮が高まる。
それを感じたBJは目を細めて笑い、側面をべろりと舐めながら言った。
「ふふ。気持ちいいか。一年間鍛えたといったろう?」
その言葉に、キリコがビキリとなった。
BJの前髪を掴むと乱暴に引き離す。
突然の反撃に驚いたBJを押し倒し、押さえ込み、両足の間に体を割り込ませる。
「なっ!?」
「・・・鍛えただと?いったいどうやってだ?」
誰かに挿れさせたのか!?と沸騰する頭の中で叫びつつ、恫喝に近い凄みを効かせて問いながら、答える暇もあたえずBJの中に性器を捻り込む。
「ひっ!?あっ!!あぁぁっーーーーーーー!!」
指でほぐされていたとはいえ太さも長さも、大きさが全然違う。
巨大な凶器に一気に奥まで突きこまれた痛みにBJは仰け反る。
「・・・狭いな」
キュウキュウと締め付けてくる熱い肉壁。
その狭さにキリコは少し顔を歪めたが、すぐに安堵の表情を浮かべた。
キリコの至った結果を肯定するように、BJが呻きながら抗議してする。
「久しぶりなのに・・・そんなに、乱暴にするやつがあるかっ」
大声を出すと腹に力が入り結合部分が痛むのか、声は鋭いが小さい。
「・・・すまん」
素直に謝ると腰をゆっくりと円を描くように回しはじめる。
包み込む熱さ狭さ、そして蠕動する刺激に快感を煽られ、前後に動きだそうとする腰を理性で押しとどめる。
キリコのモノは既に先走りと唾液でしとどに濡れている。
ゆっくりと一定の動きでかきまわすことによって、存在に慣れさせる。
慣れさえすれば受け入れることを覚えた体は、その太さ長さを快感として感じることができるのだ。

暫くすると痛みを訴えていた呻きが、甘い喘ぎに変わる。
痛みに固まっていた体が快楽に溶けて柔らかくなっていく。
ねだるように腰が蠢き出したのを確認してキリコはBJ両足を抱え直した。
そして。
爆発するかのように突然腰を前後に振りはじめる。
「うっ!あぁっ!」
ガンガンと突き上げる激しさに、BJは悲鳴をあげて仰け反った。
削ぎ落とすように側面を強く擦りつけながら貫いては、すぐに引き抜くことを繰り返す。
「どうだ・・・いいだろ?」
勝ち誇ったような声に、BJは快楽を甘受するために瞑っていた目を開いた。
汗を滴らせながら口元を笑いに歪ませているキリコの顔が見えた。
体内を駆け巡る快感は強烈で、もうこの結合を解こうという気は起こらない。
だが、快感に悶えている自分と違って、腰を振るキリコが余裕綽々に見えて悔しい。
BJは巨大なモノに広げさせられている後門を意識的に締めた。
「ぅあっ」
摩擦力があがりBJにも強い刺激がくるが、締め付けられたキリコも同じらしい。
キリコの口から溜息のような、快楽に満ちた喘ぎが洩れた。
思わぬ反撃に吐精を強要させられそうになるが、ぐっと腹に力を込めて耐える。
「・・・やるな」
BJを見ると目元を朱に染めて快感の表情を浮かばせながらも、してやったりとした表情をしている。
「じゃあ、俺からもお返しだ」
キリコはそう言うとぶるぶると勃ち震えるBJのモノを片手で握り込んだ。
「ああっ!」
溢れる先走りでトロトロになったそれを腰の動きに合わせてハイピッチで擦りあげる。
内壁のざわめきとビクビク震えるモノの感触に絶頂が近いことを感じて、キリコのペースがあがる。
無意識なのか意識的なのか、負けるものかと強弱をつけて締め付けてくる内壁にキリコの絶頂ももうすぐだ。
先にイクものかとばかりにキリコが激しく突き上げると、BJは身を戦慄かせながら吐精した。
ざわめき絞りとるように締め付ける器官の中で、キリコも一足遅れて吐き出した。


いつもなら。
ここで完全にキリコのペースになる。
BJはその身を完全にキリコに任せて快楽に落ちていくというのに。
今年のBJはしぶとかった。
キリコが主導権を握ったと思った次の瞬間には、思いもよらぬ反撃がくる。
一筋縄ではいかない。
とはいえ、BJの反撃はキリコの快感を煽るようなことだから、いつも以上の快感をキリコは得ることができているのだが。

数週間続くとはいえ、年に一度のこの行事。
少しマンネリ化が続いていたのではないかということを、BJの抵抗にあってキリコはようやく気がついた。
やはり何事にも精進は必要、自分もこれから一年しっかりと鍛えなくては。
キリコは腰を振り続けながら、心密かにそう決心したのだった。

 
 
 
 
 

    
 
 
   
 ■あとがき■
昨年の梅雨時期に『H.I.B』のトーレス様が
日記でキリジャ梅雨化妄想を書かれてました。
それを拝見して「おおーvv」と萌えて、
妄想のままに書きあげ、
一方的にトーレス様に捧げた話だったりします。
それをサイトにアップして頂き、
そのうえ日記でイメージ画まで描いていただき
(PCに格納済(ニヤリ))
嬉し恥かし大感激でした!

ちなみにトーレス様は
キリコを『大陸性高気圧』、BJを『太平洋高気圧』
とされてましたが
私は
BJを『大陸性高気圧』、キリコを『太平洋高気圧』
としちゃいました。(笑)

やつらが天上でこんなことヤってて梅雨が到来したのだと思えば
鬱陶しい梅雨も萌えて愉しめる思ったのですが、
これはこれでちょっとヤな感じな気がしますネ(笑)

お粗末様でした(ヘコリ)
 
 
 
 

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