「今日はネコの日だってさ」
そう言って仕掛けたのは次元。
五右エ門に抵抗する暇も与えずベッドに押し倒し圧し掛かり、愛撫を執拗に繰り返した。
「親父ギャグか」
最初はそう言って呆れていたが、着物を剥かれ素肌を弄られ続けるうちにその表情は蕩けたものに変った。
親父ギャクというのは過去にセックスを『にゃんにゃん』と表現した奴がいたから、それを覚えていたのだろう。
力の抜けた体をうつ伏せにして腰をあげさせる。
獣の体位で繋がると「猫だからか」と荒い息の中、可愛げなく問いかけてきた。
「ネコの日」の言葉で始まったセックスになにか引っかかりがあるらしい。
快楽に悶えつつも妙な所で冷静な様子を見せる男に次元は苦笑した。
「そんなつもりはねえよ」
腰を振って抽挿を繰り返す。
早い速度で細かく突くと「あっ、あっ」と間隔の短い喘ぎがあがった。
最奥を突くタイミングで洩れる声は出そうと思って出しているのではない、自然な喘ぎだ。
「・・・可愛くは、・・・啼かぬ・・・ぞ、ぅあっ」
息は絶え絶え、爆ぜるのも間近だというのにそんなことを言ってくる。
可愛くて可愛くない男。
体も声も男でしかなく女的要素はいっさいないが、それがいいのだということに本人は気がついていない。
女が欲しいのなら女を抱く。
だが五右エ門を知った今、もう女なんかでは物足りない。
誰よりも腕がたち禁欲的な男が自分の腕の中でだけで淫らに開花する。それがいいのだ。
「いらねえよ、そんなの」
腕を掴みうつ伏せになった体を引き上げた。
そしてそのまま抱えこんで座り込む。
「ひっ、ああぁぁ!!!」
勢いを殺せず、全体重をかけて次元の上に座り込んだ五右エ門が悲鳴をあげて爆ぜた。
奥の奥、深い所まで貫かれ、耐え切れなかったらしい。
ビクビクと跳ねた先端から白濁を散らした。
「くっ!」
吐精の刺激で蠢く胎内を数度突き上げて、次元も後を追う。
「俺だけの・・ネコだ」
男同士の場合抱かれる側を『ネコ』というらしい。
だから今日はたっぷりと。
「かわいがってやるからな」
次元は荒い息と一緒にそう呟いて。
自分だけのネコに一晩かけてたっぷりと奉仕した。
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