■謎の男たち■
 
 
 
 

 
ガタガタという物音で私は昼寝から覚めた。
家には私以外誰もいないはずなのに、物音は確かに家の中から響いている。
それに気かついた瞬間、眠気は一気に吹き飛んだ。
「どういうこと?まさか・・・」
息を潜め足音を忍ばせこっそりとリビングを覗いてみると、見知らぬ3人の男が部屋中を荒しまわっていた。
「ご、強盗」
体が震える。どうしよう逃げなくっちゃ。
でも玄関はリビングを抜けなくては行けない。じゃあ裏口から。
そう思うけど、恐ろしくって体が動かない。少しでも動けば男たちに気がつかれてしまいそう。
それでも早くこの場から逃げなくてはと一歩後ずさりしたとき。
いきなり後ろから口を塞がれた。恐怖で体が固まる。
強盗は3人じゃなかったんだ。チラリと視線だけ横に向けると男がふたり立っている。
「あら、かわいこちゃん。むふ」
「おい、さっさとしろ」
「はいはい。ロジャーから預かってるものはどこにあるのかな〜?」
口を塞いでいる赤い男が言った。
ロジャーから?何も預かってなんかないわ。
「一週間前に来たはずだ」
黒い男が言う。
確かに。
近くに来たから寄ってみたといってロジャーは訪ねて来たけど10分くらいですぐ帰ったわ。
たあいのない話をしただけで、特に何も預かったりしなかった。
あ、でも。彼はシガレットケースを忘れていった。
この男はそれのことを言っているのかしら。
「どこにあんのかな?」
震える指でリビングを指差す。忘れたことを伝えようと電話しようとして、その横においたままだ。
「あー、あいつらがゴソゴソしてる部屋ね。リビングのどこ?」
塞いだ手の力が弱まる。
震える声で「電話の・・・横」と答えた。
ああ、もうだめだ。なぜか知らないけどこの男たち5人の目的は強盗でなく、ロジャーの忘れていったものなんだわ。
そして、顔をみた私は・・・きっと殺される。このまま大人しくしていても殺されるなら少しでも助かる道を。
口を塞ぐ男の手を渾身の力で引き剥がし、私は悲鳴をあげた。
「あわわ」
「ばかやろ」
「誰かいるぞ!」
「誰だ!」
ふたりの男の慌てる声と3人の男たちの声が交じる。
誰か、助けて!
そのとき、バン!!と玄関の開く音。
「警察だ!!両手をあけて床に伏せろっ」
警察?警察!?ああ、神様!!
ふたりの男から逃げようと、リビングのドアへ向かって走る。
そして目に入った光景。
3人の男たちがナイフを握って警官に襲い掛かっている。警官は拳銃を向けているけど、2対3。
あっという間に拳銃は叩き落され、どうみても形勢の利は男たちにある。
危ない!!
声にならない叫びをあげる。
男のナイフが警官のひとりの腕を掠り、服を切り裂いた。その隙にひとりの男が玄関から逃げ出した。
と思った瞬間。
その男はなにかに跳ね飛ばされたかのように家の中に転がり込んできた。
同時に見知らぬ男が現れた。ナイフとは全然違う長い刀を持ち、変わった衣装を身に着けている。
あれは、みたことがある。何年か前、日本を題材にしたハリウッド映画。
たしか・・・「侍」だわ。
あっという間の出来事だった。
彼が長い刀を振る度に男たちはひとりずつ倒れていった。
「早くしろっ」
その男の声で、ハッと我に返る。
呆然としていた警官も思い出したように転がる男たちに手錠をかけていく。
あ、でも!まだ仲間がふたり、ここにいる。
そう警官に告げようとしてリビングに逃げ込みながら振り返ると、そこには既に誰もいなかった。
開いた窓。きっとここから逃げたんだわ。
窓辺に駆け寄る。そして目に入ったもの。
それは走り去る3人の男の姿。
「え?」
赤い男と黒い男。そして一緒にいるのは・・・さっきの侍。
どういうこと!?
赤い男がくるりと振り向いて、こちらに向かって何かを握った手を振った。
あれは・・・シガレットケース。いつの間に!?
「これ持ってると危ないからね〜!俺様が貰っていくよ〜」
遠ざかっていく声は、そう聞こえた。

あの侍は私たちを助けてくれた。
その侍の仲間らしい赤い男と黒い男。
ということは彼らは強盗の仲間ではなかったということなのかしら。
警官のひとりが「大丈夫か!」と走り寄ってくる。
遠くでもうひとりの警官が「3人逮捕しましたが2人逃がしました」とどこかに連絡している。
それをぼんやり聞きながら、あの男たちは何者だったのだろうと思った。
 
 
 
 
 

■NAZO NO OTOKOTACHI■
   

    
 
 
   
 ■あとがき■
以前、とある記事を読んで日記に書いた話(をちょっと手直し)です。
その記事とは!

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【ロンドン12日時事】
英北東部の町サウスシールズの警察当局が、警察官を襲った武装ギャングを刀で撃退した後、姿を消した「サムライ男」を捜している。
スカイテレビなどによると、この町で民家の中から助けを求める女性の声を私服警官2人が聞き付け、救出に当たったが、中にいた強盗団は計5人。
強盗の1人がナイフで警官を突き刺そうとした時、どこからともなく刀を持った男性が現れ、ナイフ男に反撃。別の強盗の腕も刀で攻撃して、逃走を阻んだ。
結局、強盗団の3人が逮捕されたが、「サムライ男」はこつぜんと姿を消し、正体も分からないまま。警察は住民に情報提供を呼び掛けている。 
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というもの。
五右エ門だ!!!!と思いました。
というかこれを読んだら誰だってそう思うハズ!<決めつけ

いや、五右エ門なら5人とも捕まえるか。
と思ったけど、
その5人全員が強盗団だったのでなく、3人だけがそうだったんだ。
つまり残りの2人は言うまでもなく!!
強盗団と鉢合わせしたか、それに狙われてたかしてて、そこに警官が突入!
とっさに隠れた五右エ門だったけど、ルパンと次元を助けるために颯爽と登場。
そして強盗団をやっつけたあと、3人でトンズラしたんだよ!
ああ、これですべてに説明がつく!!<バカ 

と現実と二次元の境をなくした管理人が
イタイくらいに妄想したのがコレでした。


・・・でも絶対ルパン達だよね?<まだ言うか

 
 

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