■テレパシー■


ゾクゾクッと背筋に寒気が走った。
目の前にいるエルフはいつもと変らず美しく微笑んでいるだけだというのに。
得も知れぬ寒気が、それとも悪い予感というのだろうか。
そんなものがフロドの体を突き抜けたのだ。

上品な薫りの紅茶。
テーブルの上から毀れんばかりに並べられたケーキやお菓子。
それを取り囲んで、皆でティータイム。
沢山のおしゃべりと沢山の笑顔。
愉快で楽しい雰囲気だというのに。
いきなりレゴラスの気配というかオーラというか、そんなものが変化したのだ。
まあ、気がついたのはフロドだけだったようだが。

横に座るレゴラスへそっと視線を送る。
何も変らない笑顔と態度。
それなのに何かが違う。
フロドは正面に視線を戻し、体を少し傾けて仕草でレゴラスの意識を自分に向けさせた。

「なに?」

軽く小首を傾げてレゴラスが小さく問うた。
その様子を上目遣いで窺いながら、他の者には聞えぬほどの小さな声で呟く。
どんな小さな声でもエルフの耳には届くはず。

「今、僕のことを・・・それもよからぬことを考えてませんでした・・・か?」

レゴラスはちょっと驚いたらしく軽く目を見開いた。
そしてフロドをじっと眺めた後、感心したように言った。

「確かに。君のことを考えてたよ。よからぬこととは私は思わないけど・・・君ならば思うかもね」
「何を・・・考えてたんですか」

聞きたくないけど、聞きたくないけど、どうしても問わずにいれない。
怖いもの見たさというか、なんというか・・・まあ、そういった気分である。

「君があんまり楽しそうで・・・私のことすら忘れてるみたいだったから。
 今夜はゆっくりじっくりたっぷりと私の存在を確認してもらおう、と思ってたよ」
「・・・やっぱり」

ガックリと肩を落とすフロドを見て、レゴラスがふふふと笑った。
何がおかしいのかと、もう一度レゴラスを窺いみてみる。

「凄いね、以心伝心?テレパシーかな?」

満足気に微笑むエルフをみて、フロドは心の中で溜息を吐く。
違うと思う。
嫌な予感というか、虫の知らせというか、そういったものだ。
だけど、それを口に出してしまうと、自分の身にどんなことが起こるかわからない。
いや、違う。わかりすぎるほどわかってしまう。
知らない方が気がつかない方が幸せなのかもしれないけど。
とりあえず、わかったからにはレゴラスの言う時間をかけた存在確認を回避したい。
と頭を巡らすフロドの耳元でレゴラスが囁いた。

「逃げられないよ。だから、今夜はゆっくりじっくりたっぷり愉しもうねv」

その言葉を聞いて。
やっぱりテレパシー?
と思いなおさずにいられないフロドだった。
 
 
 
 
 

   
  
 ■あとがき■
フロドがHを回避したいのは
レゴラスが嫌いだったり行為が嫌な訳ではありませんヨ

レゴラスってば激しくってちょっと・・・
とか
昨夜散々喘がされてもう体力が・・・
とか
そんな理由デス。(笑)

って、あとがきで説明補足してどうする(^^;)


   

戻る


 

テレワークならECナビ Yahoo 楽天 LINEがデータ消費ゼロで月額500円〜!
無料ホームページ 無料のクレジットカード 海外格安航空券 海外旅行保険が無料! 海外ホテル